9月の初旬に立山・黒部アルペンルートに出かけた。1週間前から台風が本土を狙っていたが、運悪く出発前日の夜に神奈川に上陸、当然千葉にも影響があってJRも運行されるかわからないまま朝一番の電車に乗るため駅まで自家用車で行った。テレビの情報では京葉線がストップしているが、総武線は動いているということであった。しかし外房線は線路を確認中とかで始発からの2本は運休、最初に来た電車ものろのろ運転で千葉駅に着いたのが7時過ぎ。そこから快速に乗ったが、車内はギュウギュウ詰めで東京駅に8時前ようやく到着。集合時間ぎりぎりで何とか間に合った。驚いたことにこんな状況でも、申込者は全員参加、みんな必死の覚悟で家を出たらしい。問題の台風は時速25Kmで埼玉をゆっくりと北上中のところ、9時前の新幹線で東京を出発。こちらは時速300Kmで台風を追いかける、当然窓の外はものすごい雨、すごい旅行である。長岡に着いたときは台風が弱ってきたのか、少し太平洋側に離れていったのか、雨も小降りになっていた。

今回の全行程は下の図を右から左に進む

黒部峡谷トロッコ電車
長岡駅から北陸道をバスで宇奈月温泉駅まで約2時間、中越地震の影響で高速道路も修理中のため緩やかな凹凸があって速度規制がされていた。宇奈月駅では雨もやみ何とかトロッコ電車に乗れそうである。何しろ屋根はあるものの窓なしである。いつ雨が降り始めるかわからない山の天気、当然雨合羽を着用しての乗車。

     
宇奈月駅                             トロッコ電車の全景

    
後曳橋(高さ60m、長さ64mで渓谷一番の深さ)      崖側を走るトロッコ              ダム湖にかかる橋

     
猿用に架けられた専用橋                   仏石(石仏に似た自然石)             第2発電所

       
新柳河原発電所                    単線のため駅で行き違い       鐘釣駅

           
釣鐘三尊像(黒部川の氾濫を祈って)       万年雪(この季節溶けている)     足湯(清掃のため休業)

今回は台風一過の天候、当然天気はよくない。宇奈月を出発して鐘釣まで黒部川に沿って約15Km、時速16Kmを1時間で進む。途中いろんな名所があっても、あいにく霧がかかりよく見えないのは残念。といっても観光客は多いのは、申し込んだツアーをキャンセルできなかった人ばかりか?。

2日目は富山から約1時間ほどで最初のケーブルカー立山駅に向かってバスで出発。ここから6種類の乗り物を乗り継いで、もともと電源開発の資材運搬に使われたルートを整備した扇沢までのアルペンルートを旅する。

立山ケーブルカー
立山駅から美女平まで 全長1.3Km、時間は7分
特徴は人が乗る車両のほかに資材運搬用の貨車を接続した構成
立山駅を出発してすぐにトンネル内へ入り、まもなく美女平駅に着く
車内はものすごく混雑ゆったりと景色は眺められない

高原バス
美女平から室堂まで 全長23Km、時間50分
途中はガスばかりで山の景色は一切見えない
バスは高原専用でジーゼル・ハイブリッド車
車内は定員制で補助席も含め必ず着席できる
途中には落差350m、日本一の滝(称名滝)を車窓から見れる。
初夏に開通する雪の大谷と同じ道路で、終点室堂近くには残雪も見ることができる。


室堂付近  標高2450m
晴れていれば遠くに山が見え、周辺を散策するのが最高であるはず。でも今日は一面霧で20m先がようやく見えるほど。とりあえずカッパ姿で地獄谷へ向かって歩いた。これがまた急な階段で降りるときはさほど感じなかったけれど、登るときのきつさは大変であった。地獄谷は火山性ガスが立ち込め、注意の警告も含めて異様な雰囲気がする上、周りに人も少なく早く帰らないといけない気がして急いで引き返した。
   
地獄谷へ行くにはきつい階段を下りなければならない                深い霧と火山性ガスのため景色もかすみ看板も見えない

    
鍛冶屋地獄付近の湧き出るお湯                地獄谷入り口で後ろにはユオウの塔     日本で最高地の湧き水

    
少し霧が晴れた室堂平                       立山の名も霧でかすむ             少し晴れた瞬間のミクリガ池

立山トンネルトロリーバス

室堂から大観峰まで  全長3.7Km 時間10分   大観峰は標高2316m
観光客が多いときは数台のバスが同時に室堂駅と大観峰駅を発車して1台がようやく通れる幅しかない道を結構速い速度で走る。道中の中央付近に対向できる場所があり、そこですれ違う。混雑しているのでバス内は全員が座れることはない。

立山ロープウェイ
大観峰から黒部平まで 全長1.7Km 時間7分   黒部平は標高1828m
このロープウェイは途中に支柱が1本もないワンスパン方式で日本にはここしかない。標高差は500mありアルペンルートでは最も眺望が楽しめる乗り物。
    
右の大観峰駅に到着する                    黒部平から見た大観峰駅とロープウェイ

黒部ケーブルカー
黒部平から黒部湖まで  全長0.8Km 時間5分 黒部湖の標高1455m
景観の保護と雪害防止を考慮し、駅もトンネル内にある全地下方式の構造
最大傾度は31度もある急勾配
黒部ダム駅に通じるトンネル内の気温は14度
黒部ダム駅までダムの上を観光しながら徒歩で15分
放流されている状態を近くで観光できる展望台がある

黒部ダム周辺
    
黒部湖                             観光のための放流         工事のため犠牲になった方々の慰霊碑

関電トンネルトロリーバス
      

黒部ダム駅から扇沢駅まで全長6.1Km 時間16分
このバスも数台が黒部ダム駅を同時に発車して扇沢駅に向かう。

この先は立山駅まで送ってくれた観光バスが扇沢駅へ迎えに来てくれるので、それに乗って新幹線長野駅から帰る。